憲法記念日に寄せて ~コロナ禍で考える政治の在り方~

今日、73回目の憲法記念日を迎えました。今年の記念日は、新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言の下、例年行われる集会や活動の自粛が続いています。大井九条の会も定例会や夏の集会に向けた準備もできないでいますが、こうした状況だからこそ何ができるかを考え、できることをやっていくことが大切だと思います。

安倍首相は今年の施政方針で憲法改正を冒頭に掲げています。コロナ感染拡大による困難が増す中で、有効な対策を打ち出すことができない一方で、コロナのような事態に対応するために憲法への「緊急事態条項」創設を主張し議論を進めようとしています。緊急事態条項は、首相が緊急事態を宣言すれば、政権はあらゆる法を無視して、国民の権利や人権を抑圧することが可能となる危険なもので許すことはできません。この間、憲法記念日に合わせて、各種世論調査が行われています。安倍政権による改憲に対して、多くの調査で「反対」が「賛成」を上回っています。コロナ対策に対する政権への批判もあって、この差は広がっています。しかし、毎日新聞の調査では、「憲法に緊急事態条項を設けることへの賛否」で45%が「賛成」、「反対」は14%、「わからない」が34%となっており、国民の不安につけ込む卑劣なやり方とはいえ、一定の支持があり楽観はできません。

多くの人が、コロナ感染による生命や健康に対する不安や経済活動の停滞による生活不安を抱え苦しんでいます。安倍政権は、こうした国民の窮状に対して、自粛を要請するだけで十分な補償をしようとせず、医療体制にしろ生活支援にしろ後手後手に回り、国民の不安を一層高める原因になっています。日本国憲法は13条で「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利は、…最大の尊重を必要とする」、25条1項で「すべて国民は、健康で文化的な最低限の生命を営む権利を有する」とあります。今政治に求められているのは、この憲法の精神を踏まえて、すべてに優先して国民の命を守り、生活保障や休業補償をすることです。韓国政府は、新型コロナの感染拡大に伴う緊急災害支援金の財源確保のため、追加補正予算案を編成し、国防費を約795億円削減して財源に充てることを閣議決定しました。それに対し、日本政府は、生活支援のための支出を渋り、防衛費を1円も削ろうとしないどころか、追加費用まで計上しようとしています。誰のための政治なのか、改めて安倍政権のひどさが分かります。

今回のコロナ禍はかつてないほどの困難をもたらせていますが、政治の在り方を考える良い機会になったと思います。軍事力による安全保障を重視して軍事費に多額の予算を使うのではなく、気候変動による自然災害や数年間隔で発生するパンデミックに備え、福祉や医療体制の充実など、憲法の理念を生かす政治に転換することが強く求められています。

大井九条の会は、今年も憲法九条を守る活動を会員の創意工夫を生かしながら続けていきたいと思います。

大井九条の会 代表 田村嘉浩

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