3月16日 身近な気づき
3月の会報記事を依頼されて、どんな文にしようか考えていたところ偶然にも夜な夜な「THE DAYS」を鑑賞している夫を発見し、3・11東日本大震災のことを振り返ろうと思いました。皆さまは15年前の3月11日14時46分頃はどのように過ごされていましたか?
私は車掌になりまだ1年弱の頃で熱海発の上り列車を担当していました。地震発生時は根府川駅のホームに進入している最中で、電車の揺れにより到着するまで気が付かずドアを開扉してから列車無線が騒ぎ出し、乗客から地震が起きていると伝えられてことの重大さに気づいたことを覚えています。たまたま一緒に乗務をしていたベテランの男性車掌から「今日は動かないと思った方がいいよ。」とサラッと言われて正直なところ経験値の浅い私は半信半疑でした。できる限りの案内と車内の温度を保つための処置などはしましたが、全ての電車が止まっていたので時間の経過と共に道路も渋滞し移動手段が断たれてしまい発生から約5時間後に避難場所に指定されていた小学校への避難誘導が決まりました。下り列車も停車をしていたので人数の記憶が薄れていますが多くお客さまに陽が落ちてからご移動をお願いした記憶があります。その時、お若い女性の方が泣いているとお客さまから言われ、寄り添うことしかできず不甲斐なく感じました。
今振り返るとこの震災後も熊本地震がありコロナ禍では福島県沖地震が発生し、そして2024年元旦の能登半島地震と地震大国と呼ばれている国で生活するには日頃からの備えや訓練は欠かすことができません。ただ3・11の地震以降、地震が発生するごとに震源地付近の原子力発電所の運転に異常が見られるかどうかの情報の発信も必須となり、かなり重要な心配事が増えてしまったと危惧しています。
冒頭の「THE DAYS」とはNetflixで福島第一原発所の事故を再現している連続ドラマです。現場第一線で指揮をとった吉田所長の証言である「吉田調書」などを基に制作されており、私は今更ながらに当時の危機的状況や所長はじめ命をかけて現場で闘い抜いてくださった方々の功労をリアルな映像から痛感し、この方々のおかげがあって今があるのだということを忘れてはいけないと深く思いました。
このドラマと出会う前には、大井町良い映画を見る会主催の「原発を止めた裁判長」という映画に出会い当時福島第一原発で起こりうる最悪のシナリオを避けることができたのは奇跡と言っても過言ではない条件が揃ったからであって、それは同時に2度目はないと言われているかのような事実があったこと、樋口裁判官の原発運転差し止め判決に至る経緯を知り国はあのような重大な事故が起こってもなお耐震性を軽視して再稼働を推し進める現実があることを知り落胆しました。ただこのような実際に起きたことを知る機会に出会えたことは今後も生きていく上で財産であり後世に伝えていく価値あることだと前向きに捉えています。
我が子は東日本大震災を知りません。我々経験者が未曾有の災害を忘れてはいけないと改めて思わせてくれた作品に出会えたことに感謝しています。
仕事も然り、安全と命に関わることには絶対守るべきことが必ずあります。だからこそ過去の事故や災害から学んだことがマニュアル化され徹底すべきとされているのです。ですが経費削減やコストダウン、原発で言えばクリーンエンジンというような一見聞こえの良さそうな理由で守るべき絶対から逸れていくことが平和な日常では簡単に起こりうるのです。軌道修正を図るには他人事と思わず考えること、考え続けていくことが必要だと思います。
拙い文ですがお読みいただきありがとうございます。
S・M