11月29日(日)ドキュメンタリー映画「アレン・ネルソン」上映

今年8月15日のTBS系報道特集は先の戦争での日本兵の戦争トラウマが孫の代まで影響しているとの特集であった。(https://youtu.be/uXhOHNvpPlI)41歳の石井みき子さんは幼いころ、面前でことあるごとに母親が父親に暴力を振るわれる状況を見て育った。引きこもりとなり、複雑性PTSDと診断された。ある時、親戚との話の中で、父親が祖父から軍隊で行うような暴力を度々受けていたこと。それは祖父が懲罰の連帯責任として子供たち一列に並ばせビンタをしていたということを聞いた。父親の暴力はその影響ではないか。さかのぼって祖父の暴力は戦争の影響ではないかと考えた。祖父の軍歴を調べ、鹿児島で敵の上陸作戦を阻止する決死作戦の訓練を受けていたことを知る。訓練を受ける中で、祖父は心を壊されていたのではないかと思い至る。今、彼女は「戦争トラウマ三世の会」を立ち上げ、同じような経験を持つ日本兵の三世とつながりを持ち、悩みを共有している。

11月29日に上映する「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて」(2025年制作)の主人公アレン・ネルソンさんは18歳で米軍の海兵隊に入隊し、沖縄での訓練で人を殺すこと、上官の命令には考えずに実行することを徹底的に叩き込まれる。そしてべトナムに派遣され、ベトナム人は「グークス」(魂をもたない非人間)だとして躊躇なく殺すことを実行させられる。しかしあることをきっかけに同じ人間であること気づく。その後、帰国するが、戦争トラウマのため家族ともうまく行かず、孤独な生活となる。そして医師からPTSDの診断を受け、治療に18年も費やす。1995年に沖縄で起きた米兵による少女暴行事件にショックを受けたアレン・ネルソンさんは、1996年、沖縄を訪れ、いまだに、広大な米軍基地が日本に置かれていること、それが沖縄の人たちに大きな問題となっていることを知った。さらに日本の憲法九条を知り、驚愕する。それが改変されようとしていることを知り、食い止めようと日本での活動を始める。61歳でベトナムで米軍が大量に散布した枯葉剤の原因とみられる血液のガンで亡くなるまで、1200回もの講演で、自分の経験を語り、米軍の実態を語り続けた。ベトナム戦争で亡くなった米兵は5万8千人とのことだがそれ以上の自殺者を出したと言われている。

この映画は、ドキュメンタリー映画として、アレン・ネルソンさんの足跡を追いながら、日本国憲法九条の持つ世界的な意味を問いかけるものとなっていると確信する。

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