2021年大井九条の会年頭挨拶

昨年の11月、大井九条の会は結成7年目を迎えました。例年なら、年二回の集いを中心に日々憲法を守るための活動を続ける予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大にともない、活動を自粛せざるを得ませんでした。当初、8月に予定していた宇田川先生作成の紙芝居「戦争とケン一」の朗読紙芝居の上演も11月に延期し、さらに今年の5月に再延期となりました。

この紙芝居は、先生が向田小学校の教師だった時に、戦争を知らない親向けに、戦争の実像を知って欲しいという思いで作られたもので、東京大空襲や戦争直後の飢餓生活を実際に経験された先生の体験や友人から聞いた話がもとになっています。

2回目の緊急事態宣言が発令され感染拡大が続いている現在、5月もどのような状態になっているか分かりませんが、戦前に似た雰囲気が強まりつつある中、戦争体験をいかに引き継ぐかが課題になっている今だからこそ、是非とも成功させたいと思っています。

昨年の9月、安倍首相が辞任し、その政治を受け継ぐ形で菅政権が発足しました。戦後最悪の政権が終わり、少しはましな政治がと期待されましたが、前政権以上に強権的で無為無策ぶりを露呈し、最近の各種世論調査では支持率が30%台に急落し、不支持率が50%前後に広がっています。コロナの爆発的な感染や気候変動の問題、米中の対立や周辺諸国との外交問題など、難問が山積している現在、果たして菅首相や自公政権のままで国民の安全や生活が守れるのかと暗澹たる思いに駆られます。また、菅首相は通常国会の施政方針演説で改憲議論を改めて表明する一方で、ミサイル防衛体制の強化や敵基地攻撃能力の保持、自衛隊と米軍の軍事活動の一体化などが、国会での十分な議論がなされないままに進み、安保法制の実体化が進んでいます。大井九条の会として、こうした動きを止め、国民の命と暮らしを守るために、憲法を守り、いかす政治の実現を目指した活動を今年も進めていきたいと思います。

  大井九条の会代表 田村嘉浩

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA