戦争が廊下の奥に立つ前に、何をなすべきか

「海外で戦争する国」づくりに邁進する安倍首相 昨年の憲法記念日に、安倍首相は「憲法改正を目指す集会」にメッセージを寄せ、憲法九条一項、二項を残したうえで自衛隊を明記した第三項を加える案に言及するとともに、2020年に新憲法施行を目指すと表明しました。そして年頭の挨拶で今年を「改憲を実現する年」にすると意気込みを示し、国会答弁では「国会で真摯な議論を深めることが必要で、私たちにはその義務がある」とまで発言しています。この発言は国会議員に課された憲法尊重擁護義務(憲法99条)に反するものであり、主権者である国民が望んでもいない改憲論議を「義務」だと押し付けることは憲法と国会をないがしろにし国民主権を犯すもので許すことはできません。 そもそも安倍首相が憲法に明記しようとする「自衛隊」は専守防衛の自衛隊ではなく、安保法制=戦争法によって海外での武力行使が可能な「自衛隊」です。そして、集団的自衛権の名の下に、米軍の指揮下に入り米軍とともに戦闘に参加することになる「自衛隊」です。今、安倍政権は憲法の制約を覆す大軍拡を進めています。敵基地攻撃が可能になる長距離巡航ミサイルの導入、自衛艦「いずも」を戦闘機の発着できる「空母」に改修…これはこれまで政府が憲法上持てないとしてきた「他国に攻撃的な脅威」を与える武器そのものです。これらはいずれも「海外で戦争する国」づくりを進めるためのものです。 北朝鮮からの攻撃で被害を受けるのは日本 アメリカのトランプ大統領は北朝鮮の核・ミサイル問題で「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と言い、安倍首相は「100%支持する。北朝鮮は対話できる国ではない」と支持を表明しています。もしアメリカが武力攻撃に踏み切った場合、北朝鮮からの攻撃で被害を受けるのはアメリカではなく、韓国や日本です。米軍基地が集中する沖縄や横田基地と横須賀港が近辺にある東京が、核の標的にならないという保証はありません。一体どれほどの命が失われることでしょう。本来安倍首相がなすべき最大の責務は、トランプ大統領がテーブルに並べた選択肢から、「日本が戦争に巻き込まれる選択肢」を外し、日本国民の生命や財産を守ることです。しかし、実際にやっていることはその逆で、各国に「北朝鮮への最大限の圧力」を呼びかけ、日米韓の軍事的な示威行動で緊張を煽っています。これは、韓国の文在寅大統領が、米国に北朝鮮との対話を強く求め、万が一武力行使に踏み切る場合は事前に連絡するように要請し、戦争に巻き込まれないようにトランプ大統領に要求したのとは正反対です。 3000万署名を達成し改憲発議の阻止を 日本国憲法は、その前文で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」、九条一項で「戦争の放棄」、二項で「戦力の不保持」と「交戦権の否認」を表明しています。その憲法を今、憲法尊重擁護の義務を負う政府が改悪しようとしています。「戦争が廊下の奥に立つてゐた」、これは昭和初期の新興俳句運動で活躍した渡辺白泉の俳句で、戦争の本質を鋭く突いています。戦争が廊下の奥に立つ前に、戦争につながる根っこを絶つことが重要です。それにはまず「安倍9条改憲NO!3000万署名」を達成し、改憲発議そのものを断念させることです。

大井九条の会代表 田村嘉浩

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