気をつけたい安倍政権の印象戦略

 女性史研究家の加納実紀代さん78歳が膵臓ガンで2月22日亡くなりました。戦時中の女性の役割について研究した内容については高い評価をされていた人だったということです。 私は、2014年箱根で彼女の講演を聴きました。今まで聞いたことがない戦争の見方を知り、戦争への道を許してはならないという気持ちを新たにしたことが昨日のごとくよみがえり、惜しい方をまた亡くしたと思いました。加納さんの当時のお話と、その後の他の講演の録画情報から一部要点を紹介してみたいと思います。

 1931年関東軍自作自演の柳条湖事件によって満州事変という侵略戦争に突入するという状況の中、同年12月、夫の出征前に妻が自害したことが美談として取り上げられ、映画にもされたこと、それを契機に1932年3月に大阪で国防婦人会が出来、10月には大日本国防婦人会が陸海軍の肝いりで設立され、真珠湾攻撃の1941年には900万人にもなったこと。それはメディアが軍事支援活動を「銃後」活動として称揚した結果でもあったこと。一方、家の中の世界のみで社会的な活動をしてこなかった女性にとって、楽しく、社会とつながりをもつ会でもあったこと。等々。

 大井町においても、「大井九条の会」発行の戦時体験集Ⅰに記載した高橋サトさんの手記で大日本国防婦人会のことが触れられており、国家総動員的に戦争に突き進んでいった様子を身近なものとして感じることができました。 また、2月19日毎日夕刊の特集ワイドでも加納さんの「日本へのメッセージ」として生前のインタビュー記事が一ページ全面に記載されていました。その中で、加納さんは「表象」による「集合的無意識の形成」に警鐘を鳴らしています。近年は、「平和の表象」であるはずの折り鶴について研究しているそうですが、折り鶴がその本来の意味を失って、A級戦犯を祭った静岡県の神社に飾られている。意味を転換すると戦争責任が「無化」される。大事なものを覆い隠すことにつながりかねない。と心配されています。

 知らず知らずのうちに安倍政権の印象戦略に惑わされないように、感覚を研ぎ澄まし、反撃していくことが大切だと痛感させられました。

                                   ひろ

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