自民党が掲げている「憲法改正案」について

NHKの朝ドラ「わろてんか」が最終週となり戦中戦後の場面が続き目が離せない。隼也さんは戦地から無事帰って来られるのか。亡き父の若き日の姿が重なってしまう。赤紙が届く場面「おめでとうございます」父もそう言われたのだろうか。出征場面「お国のために戦って参ります」父もそう言ったのだろうか。20代前半だった父の心境はどうだったのだろうか。アメリカに留学したこともある隼也さんは、リリ子さんに「アメリカと戦わなければならないなんて」と言われて、「家族を守るために戦います」と答える。「国のために」と強制させられた若者達の多くは、きっと、「愛する人達を守るため」と自分を納得させて戦地へ向かったのだ。隼也さん等、父の世代が涙と血を流して、戦後に憲法9条が生まれた。
ところが今、その9条が変質させられようとしている。自民党は、9条は変えずに自衛隊を明記するだけだと言う。果たしてそうなのか。
自民党憲法改正推進本部は、今月22日の全体会合で9条改憲の条文案の取りまとめを細田博之本部長に一任。そして取りまとめの骨格案が作られた。それを、現行憲法と比較しつつ見てみよう。
(現行憲法)
第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
(自民党骨格案)
9条の2
第1項
前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高指揮監督者とする自衛隊を保持する。
第2項
自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
自民党案に「我が国の平和と独立を守り」の一文が入ることの意味は重い。「国のために」をとにかく入れて改憲の足がかりにしていこうという並々ならぬ執念のようなものが感じられる。私は、安倍首相が、安全保障法(戦争法)を強行採決した頃の国会で、実際にはあり得ないような母子の絵を掲げて「自国民を守るために自衛隊員を派遣する」と言ったことを思い起こした。現憲法下では、曲がりなりにも「国民を守るため」と言わざるを得ないのだ。
第2項では、「法律の定めるところにより」と、法律を憲法の上に立たせるような条文を入れている。こうなると、法律の上位概念であるはずの憲法がそうではなくなってしまう。法律には自衛隊法も入るのか。国会は単なる承認機関と考えているのか。その他の統制に服するという文言も不気味である。
尚、自民党の改憲骨格案には、「緊急事態対応」項目もあり、これも、「国民」より「国家」を優先させたい意図が表れていると感じられるので次に載せたい。
(緊急事態対応)
73条の2
第1項
大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。
大井町では町としての防災施策があり訓練や研修が行われている。私もそれを理解してできるところで実行しようと議会傍聴で議員さんの発言を聞いたり町のホームページを見たりしている。私の友はパブコメで意見を寄せたりしている。こういった努力をしている「地方自治体」「個人」をまず大事にしていただきたいものである。今の内閣を見るかぎり危なっかしくて政令制定権付与などとんでもないと、私は思うのだが・・・

明日香

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